『悲しみのイレーヌ』ピエール・ルメートル

悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)

悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)

『その女アレックス』のヴェルーヴェン警部のデビュー作。 奇怪な連続殺人をめぐる物語がたどりつく驚愕の真相。 若い女性の惨殺死体が発見された。パリ警視庁のヴェルーヴェン警部は、裕福な着道楽の部下ルイらとともに捜査を担当することになった。殺人の手口はきわめて凄惨で、現場には犯人のものと思われる「おれは帰ってきた」という血文字が残されていた。 やがて過去の未解決事件とのつながりが浮かび上がる。手口は異なるものの、残虐な殺人であることは一致していた。これは連続殺人なのだ。そして捜査が進むにつれ、犯人は有名なミステリ作品に登場する惨殺死体を模して殺人を繰り返しているらしいことが判明した。ジェイムズ・エルロイの『ブラック・ダリア』、ブレット・イーストン・エリスの『アメリカン・サイコ』……ほかにも未解決の事件があるのではないか? ヴェルーヴェン警部らは過去の事件のファイルを渉猟し、犯人の痕跡を探る。 しかし警部は知らなかった――犯人の魔の手が、自身の身重の妻イレーヌへと伸びていることを。 強烈なサスペンスとともに語られてゆくサイコ・キラーとの対決。だがそれは第二部に入るや、まったく違った相貌を読者にみせつけることになる! 『その女アレックス』の殺人芸術家ルメートルの衝撃的デビュー作。

3部作の1作目。タイトル通りイレーヌが悲しい結末でした。内容はいちいちグロい。殺人現場の描写がやたら詳細に綴られていてうわーとなりました。でも読む手は止まらず、2章に入ってから1章の真実を知って、またうわーとなりました。登場人物が予想外なことをするとかではなくて、その外側の小説の構成自体にギミックが仕掛けられているのに驚かされます。外国の話なので、地名や人名がなかなか覚えられない読みづらさはあったけど、最後の犯人がわかってから一気に加速するあたりとか面白かったです。