『神の守り人〈下〉帰還編』上橋菜穂

神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)

神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)

南北の対立を抱えるロタ王国。対立する氏族をまとめ改革を進めるために、怖ろしい“力”を秘めたアスラには大きな利用価値があった。異界から流れくる“畏ろしき神”とタルの民の秘密とは?そして王家と“猟犬”たちとの古き盟約とは?自分の“力”を怖れながらも残酷な神へと近づいていくアスラの心と身体を、ついに“猟犬”の罠にはまったバルサは救えるのか?大きな主題に挑むシリーズ第5作。

下巻も読み終わり。最後はなんだろう、ちょっと想定外でした。私的にはアスラからタルハマヤを引き剥がしてハッピーエンドみたいなのを単純に期待していたので、まさかアスラが自分を犠牲にしてタルハマヤを自分の中に封印?するとは思わず、今回は終始アスラがただただかわいそうという印象でした。チャグムやエーシャナのように今までも理不尽に命を狙われた子供はいたけど、アスラがダントツです。タルの民に生まれたというだけで差別されるわ、お母さんを目の前で処刑されるわ、奴隷商人に売られるわ、タルハマヤ宿るわで散々。あげくタルハマヤのせいで命を狙われたり、反対にサーダ・タルハマヤになれと勝手に祭り上げられたり、周りが身勝手過ぎて嫌になる。そんな気分を早くなんとかしたくでどんどん読んでしまったけど、最後までアスラが気の毒な話でした。四路街の衣装屋さんにいたときのアスラはお花の香りに包まれて本当に幸せそうで、最後のバルサが抱きかかえてる場面で思い出して涙。今回は暗いお話だったので次はもう少し明るい話だといいなー。