平凡謳歌

ゆるゆるした日常の記録

『モダンタイムス』伊坂幸太郎

モダンタイムス(上) (講談社文庫)

モダンタイムス(上) (講談社文庫)

モダンタイムス(下) (講談社文庫)

モダンタイムス(下) (講談社文庫)

「勇気はあるか?」29歳の会社員となった渡辺拓海の前で、見知らぬ男がそう言ってきた。「実家に」と言いかけたが、言葉を止めた。拷問を受けた翌日、拓海は失踪した五反田正臣の代わりに、「ゴッシュ」という会社から依頼されたシステム改良の仕事を引き継ぐことになる。

魔王の数年後のお話。

だいたいの人が一日一回は検索をしていると思う。その検索結果を収集して、興味のありそうな広告が表示される仕組みは、今や当たり前になっているけど、まさか特定のワードで検索をかけたら、もれなく自分のところに拷問屋が派遣されてくることになるなんて、意味がわからないけどそれも可能だから怖い。悪いのは拷問屋、だから拷問屋を倒せば大丈夫!なわけはなくて、拷問屋も誰かに依頼されたからここに来たという、じゃぁその依頼者を問い詰めてもさらに上に依頼されたから、とたらい回し状態。例えば戦争で軍人が敵国の民間人を射殺したら、殺したのは軍人だけど、悪気があってやってるわけじゃない、それが命令だったからやっただけ、じゃぁ誰の命令かっていうとそれは国家。末端を倒したところで何も解決しない、だからどんどん上へ上へと辿っていくと最終的には国家にたどり着く。その過程にいる人達は善悪の意識はなく、上からの命令に従っただけ。んでじゃあ拷問された俺たちの怒りは国家にぶつけろってこと?いちサラリーマンがそんなん無理だよ。というような話だったと思います。たかが検索っていう日常の私達が普段当たり前すぎて深く考えてないところに切り込んでいて面白かったです。あとは主人公の嫁がめちゃくちゃ怖いけど、めちゃくちゃ強くて、めちゃくちゃ頼りになって、案外かわいらしいっていう謎すぎて謎でした。